日本テレビ デジテク2016に行ってきた
今週は展示会ウィークだったその1。
3月8~9日に公開されていた日本テレビの技術展覧会「デジテク2016」に行ってきた。
場所は汐留の日本テレビタワー2Fということなんだけど広い玄関フロアの端っこに
あまり目立たない受付カウンターがあるだけだったのでちょっと焦った・・・
名刺を二枚差し出して一枚は控え、一枚は名札フォルダーへ入れて奥へ。
まず迎えてくれたのは8K対応のアストロデザインとシャープの大型モニター。
コンテンツはなんと「笑点」でちゃんと8Kで撮影されていることに触れている。
あまり動きのないコンテンツなのでセットの傷などディテールがよく見える。
さらに実際のサイズよりも大きく写る顔や手の甲を見るとシワや血管が目立つ。w
後ろでは今後のテレビのトレンドである解像度と並ぶ色再現性を主体としたHDR展示。
従来のHDと比較して4KHDR映像をいくつか特性違いのモニター数台と共に
比較用に並べていた。
半透明のトタン屋根の作業部屋の中で作業する職人さんの映像などがループ。
HDでは途端から漏れる日差しの明るさの沈みと藍染めの布や染料の暗部が
潰れてしまうのが、HDRでは明るい白と染料の紺色を見事に表現。
風景もどんよりとした雲のある空の映像に青空がのぞく状態を従来は
ほぼグレーで塗りつぶされているのをHDRでは青色を見せていた。
あとは意図したものという訳ではないらしいが黒いステージで黒い着物をした
侍さんのチャンバラ。きちんと明度を判別できる。
HDRであればHD解像度でも色再現性に関してはメリットは大きい。
奥に進むとデータ放送連携関係。
ハイブリッドキャストなどは既に他の展示会でも見ていたが面白いのはテレビに
備わったデータ放送やハイブリッドキャスト、動画再生のCPUパワーをクラウドで
分散演算するためのリソースとする出展。
昔、PS3でタンパク質解析などをしていたアレをテレビでやってしまおうというもの。
PS3ほどとまではいわなくても昨今のテレビのマイコンの能力と圧倒的な
稼働台数で莫大な計算リソースを得ようということで大変面白い。
けど・・・PS3はユーザーが意図してアプリを立ち上げる事で「利用される」ことを
「認証」していた訳だけど、テレビなど家電のリソース(電力など含む)を勝手に
使われる訳には行かない。
その辺をどうやって同意を得ていくのかとか運用面は大変そう。
もちろん出展者も理解の上。
データ放送で許可を得るスタイルにするのかポイント還元などで案内するか?
でもそもそも多くのテレビ視聴者がそんな認証プロセスを踏むのか疑問だけど・・・
次は未来のテレビ視聴環境とPepperのいるリビング環境。w
そしてHulu関連の紹介。
出口近くに向かうと、リアルタイム字幕挿入システム。
現在のリアルタイム挿入システムでは専用のオペレーターが短縮入力に
対応した特別なキーボードを使いテキストを打ち込んでいる。
つまり特殊技能を持った職人さんが必要となるのだが人数も限られる。
一方で展示されていたのは専任の読み上げ担当者が反復した音声を
テキストに起こしてひな形を作る。それを文節単位で分解して三人で誤字や
同音異義語等の修正を行う。結果を再び合成して字幕データに重畳する。
全文起こしの必要がない上に負荷を複数人で分散できるためにオペレーターの
専門スキルは通常のタイピング能力+αくらいに軽減する。
またキーボードなども一般的なものとなり機材コストも下がるというメリットがある。
同じ開発会社のものでCM字幕チェックというのもやっていた。
でもCM字幕自体ほとんどない(週数本)というレベルで失笑。
もちろんこれから増えていくというのが前提だけど。
個人的にとても面白かったのが乾電池の餞別システム。
マイクなど小型装置に大量の単三電池を消費するテレビ局。
それを自動的に残量チェックして四段階に振り分けるアイデア装置。
放送機材は優良なもの、社内のマウスなどは残量が残り少ないものをと
破棄レベルに至るまで使い尽くすことの出来るエコ&コストダウンを実現。
箱に放り投げておくだけで電池を整列させてくれる自動送りもあるとのこと。
最後は距離センサと連携した撮影や360度カメラによる撮影でのVR。
ヘッドギアが必要だとかスマホ連携が必要とか必ずともテレビ放送で
そのまま表現出来るものではないけど、テレビ局がテレビ演出以外の
方向性を模索しているという感じ。
たとえば先日行われた東京都民マラソンで折り返し地点に360度カメラを
設置してVRで見ることが出来ていたわけど、実際の放送って基本的には
リアルタイムでトップランナーや注目選手を追っている。
じゃあ視聴者がそのVR映像を見ようとすると一時的にリアルタイムからは
外れなければならない。
テレビ番組としてそれがOKなのか?って事なんですよね。
ネットで別にサービスすることは可能で、そういったコンテンツサービスも
並行して行くのが今後のテレビ局のあり方なのかも。
何年か前に来た時は子供とかも居て一般的な展示だったような気がするけど
名刺が必要など少なくともターゲットを大人に絞り込んだ様子で展示内容も
イメージよりも技術的な方向性が高かったような気がする。
反面、視聴者にはまだ遠いなという印象も。
8KはもとよりHDRにしてもまだまだテレビが出はじめたばかり。
それ以前にHDRコンテンツの制作も限定的で配信はもっと未知数。
PC等でネット動画を見ている層ならその辺はアバウトに受け取れるけど
テレビ視聴者はHDRコンテンツが放送されていきなり再生できないとか
色違いになってしまうではシャレにならない。
またまたニワトリとタマゴ的な感じになってしまうんですけどね・・・・
8KもHDRも本当に素晴らしいんですよ、すべてが余すことなく整えば。
3月8~9日に公開されていた日本テレビの技術展覧会「デジテク2016」に行ってきた。
場所は汐留の日本テレビタワー2Fということなんだけど広い玄関フロアの端っこに
あまり目立たない受付カウンターがあるだけだったのでちょっと焦った・・・
名刺を二枚差し出して一枚は控え、一枚は名札フォルダーへ入れて奥へ。
まず迎えてくれたのは8K対応のアストロデザインとシャープの大型モニター。
コンテンツはなんと「笑点」でちゃんと8Kで撮影されていることに触れている。
あまり動きのないコンテンツなのでセットの傷などディテールがよく見える。
さらに実際のサイズよりも大きく写る顔や手の甲を見るとシワや血管が目立つ。w
後ろでは今後のテレビのトレンドである解像度と並ぶ色再現性を主体としたHDR展示。
従来のHDと比較して4KHDR映像をいくつか特性違いのモニター数台と共に
比較用に並べていた。
半透明のトタン屋根の作業部屋の中で作業する職人さんの映像などがループ。
HDでは途端から漏れる日差しの明るさの沈みと藍染めの布や染料の暗部が
潰れてしまうのが、HDRでは明るい白と染料の紺色を見事に表現。
風景もどんよりとした雲のある空の映像に青空がのぞく状態を従来は
ほぼグレーで塗りつぶされているのをHDRでは青色を見せていた。
あとは意図したものという訳ではないらしいが黒いステージで黒い着物をした
侍さんのチャンバラ。きちんと明度を判別できる。
HDRであればHD解像度でも色再現性に関してはメリットは大きい。
奥に進むとデータ放送連携関係。
ハイブリッドキャストなどは既に他の展示会でも見ていたが面白いのはテレビに
備わったデータ放送やハイブリッドキャスト、動画再生のCPUパワーをクラウドで
分散演算するためのリソースとする出展。
昔、PS3でタンパク質解析などをしていたアレをテレビでやってしまおうというもの。
PS3ほどとまではいわなくても昨今のテレビのマイコンの能力と圧倒的な
稼働台数で莫大な計算リソースを得ようということで大変面白い。
けど・・・PS3はユーザーが意図してアプリを立ち上げる事で「利用される」ことを
「認証」していた訳だけど、テレビなど家電のリソース(電力など含む)を勝手に
使われる訳には行かない。
その辺をどうやって同意を得ていくのかとか運用面は大変そう。
もちろん出展者も理解の上。
データ放送で許可を得るスタイルにするのかポイント還元などで案内するか?
でもそもそも多くのテレビ視聴者がそんな認証プロセスを踏むのか疑問だけど・・・
次は未来のテレビ視聴環境とPepperのいるリビング環境。w
そしてHulu関連の紹介。
出口近くに向かうと、リアルタイム字幕挿入システム。
現在のリアルタイム挿入システムでは専用のオペレーターが短縮入力に
対応した特別なキーボードを使いテキストを打ち込んでいる。
つまり特殊技能を持った職人さんが必要となるのだが人数も限られる。
一方で展示されていたのは専任の読み上げ担当者が反復した音声を
テキストに起こしてひな形を作る。それを文節単位で分解して三人で誤字や
同音異義語等の修正を行う。結果を再び合成して字幕データに重畳する。
全文起こしの必要がない上に負荷を複数人で分散できるためにオペレーターの
専門スキルは通常のタイピング能力+αくらいに軽減する。
またキーボードなども一般的なものとなり機材コストも下がるというメリットがある。
同じ開発会社のものでCM字幕チェックというのもやっていた。
でもCM字幕自体ほとんどない(週数本)というレベルで失笑。
もちろんこれから増えていくというのが前提だけど。
個人的にとても面白かったのが乾電池の餞別システム。
マイクなど小型装置に大量の単三電池を消費するテレビ局。
それを自動的に残量チェックして四段階に振り分けるアイデア装置。
放送機材は優良なもの、社内のマウスなどは残量が残り少ないものをと
破棄レベルに至るまで使い尽くすことの出来るエコ&コストダウンを実現。
箱に放り投げておくだけで電池を整列させてくれる自動送りもあるとのこと。
最後は距離センサと連携した撮影や360度カメラによる撮影でのVR。
ヘッドギアが必要だとかスマホ連携が必要とか必ずともテレビ放送で
そのまま表現出来るものではないけど、テレビ局がテレビ演出以外の
方向性を模索しているという感じ。
たとえば先日行われた東京都民マラソンで折り返し地点に360度カメラを
設置してVRで見ることが出来ていたわけど、実際の放送って基本的には
リアルタイムでトップランナーや注目選手を追っている。
じゃあ視聴者がそのVR映像を見ようとすると一時的にリアルタイムからは
外れなければならない。
テレビ番組としてそれがOKなのか?って事なんですよね。
ネットで別にサービスすることは可能で、そういったコンテンツサービスも
並行して行くのが今後のテレビ局のあり方なのかも。
何年か前に来た時は子供とかも居て一般的な展示だったような気がするけど
名刺が必要など少なくともターゲットを大人に絞り込んだ様子で展示内容も
イメージよりも技術的な方向性が高かったような気がする。
反面、視聴者にはまだ遠いなという印象も。
8KはもとよりHDRにしてもまだまだテレビが出はじめたばかり。
それ以前にHDRコンテンツの制作も限定的で配信はもっと未知数。
PC等でネット動画を見ている層ならその辺はアバウトに受け取れるけど
テレビ視聴者はHDRコンテンツが放送されていきなり再生できないとか
色違いになってしまうではシャレにならない。
またまたニワトリとタマゴ的な感じになってしまうんですけどね・・・・
8KもHDRも本当に素晴らしいんですよ、すべてが余すことなく整えば。
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